室内自転車乗りのライドログ

室内でZwiftばかりしているインドアライダーのメモ。実走は春と秋だけ、年に数回。

Zwifterがいきなりロングライドに行く実証実験 都内から山梨 距離200km獲得標高3000m挑戦

#長いです

普段Zwiftしかやらない温室インドアライダーがいきなり実走ロングライドに行って無事完走できるのか実証実験するシリーズ、今回は半年ぶりの実走で都心から山梨県の峠を巡るコース。ソロで黙々と走り、ライド中にあんまり写真を撮らないので、Google Street Viewの引用が多めなのはご容赦ください

最初に注意事項

山梨の旧道系の峠の多くは、毎年12月から「4月中旬まで」冬季通行止めになります。山国の冬は長いのです。3月にもなるとポカポカ温かい日もありますが、陽光の中を鼻歌交じりで登っていくとゲートがドーンと閉まっていて衝撃を受ける展開になります。自転車は通ろうと思えばゲートの横から入れてしまいますが、トラブルがあっても(多分)誰も助けに来てくれませんし、危険なのでやめましょう。通行止めの場所とスケジュールを事前に確認した上で計画を立てましょう

www.pref.yamanashi.jp

筆者スペック

  • 実走には全然行かず、週4くらいで自宅でZwiftをしている。一回のZwiftライドは1時間から1時間半程度。たまに3時間級のライド。BCのペーサーライドまたはSST(Med)が中心
  • 体重60kg。ZwiftでのFTPはSaris H3計測で3.8w/kg。3時間平均出力3.2w/kg。レースはせず、スプリントはしないというかできない。インターバルも苦手で上げ下げに弱いが、レースをしないのでまあいいかと思っている
  • 厳しい環境に弱い。都内の混雑した道が苦手。夏の暑さと冬の寒さ、強い日差しと強風への耐性がない。春と秋の良く晴れた爽やかな風の弱い日にしか外に行こうとしない

今回の計画概要

大月河口湖ライドプロフィール

www.strava.com

  • 4月後半の、とある良く晴れた風の弱い平日に決行。予めコースの下調べと準備をしておき、コンディションの良さそうな日を狙って直前に有休を取得して挑む方式。日中の気温は15℃から22℃程度の予報
  • 文京区あたりをスタートして西に進み、尾根幹から津久井湖相模湖を経由して県道35号線を通りつつ一旦大月を通過し、御坂峠を回って河口湖に至り再び大月に戻ってフィニッシュする計画。帰路は大月から輪行で新宿まで戻り、ちょっと自走して帰宅する
  • 距離200km、獲得標高3000m。雛鶴峠、笹子峠、御坂峠の3つの峠を越える、自分としては結構なチャレンジングルート。しかし仮に途中でへこたれたとしても、ほぼどこからでも輪行で逃げられるルートなので大丈夫だろう
  • 路肩が狭くて交通量が多い道が苦手なので、たとえ距離が伸びても坂があっても、できるだけ走りやすいルートを長くとる。都心から甲府方面を目指すなら新宿に出てひたすら甲州街道(国道20号)を走るのが平坦でシンプルだが、これはやらない

なんでこのコースなの?

  • かつて遠い昔にろくな準備もせずに御坂峠に登ってボロボロになったことがあり、いつか再び自走でチャレンジしたいと長らく思っていた
  • 前回ライドの実績から、距離160km、獲得標高1500m(都心から秩父往復)を比較的余裕を残して楽しく走りきれることが分かったので、じゃあもうちょっといけるんじゃねと思い始めた。今回のルートは全部自走すると300kmとなり、さすがに無謀だろうから日没前にフィニッシュできそうな200km地点で終了し帰路輪行と設定した(新宿駅からの帰宅自走はライドに含めないものとする)
  • ストリートビューとにらめっこして大型車が多い片側一車線の幹線道路をできるだけ避けてルーティングしたらこうなった

マイ相棒

Canyon Ultimate CF SL 9.0 (2014年式)。サドル以外はほぼフルノーマル。紐アルテ6800系、フロント52-36T、リア11-28T。軽くて良く走る。近頃は半年に一度しか乗ってなくてすまぬ。気づいたら結構古くなってきたけど、自分の乗り方だと全然不足は感じない。しかし一度ディープリムを履かせて、どう変わるのか試してみたい願望はある

荒川河口付近でのマイチャリ

前日の準備

早朝に出発するので、準備は全て前日に済ませておく。バイクの整備、輪行グッズのチェック、サドルバッグへの荷物詰込み、デバイス類の充電、Garmin Edgeへのルート転送、ウェア類の用意、財布の中身チェック、朝食用菓子パンの用意などなど

装備品

  • 自転車に装着するもの
    • ツールボックス(パンク対応用パーツ、工具類、電池、現金の予備)
    • ドリンクボトル 750ml
    • サイコン Garmin Edge 1030 Plus
    • フロントライト Cateye Volt 400
    • リアライト Topeak RedLite
    • スピードセンサー XOSS
    • サドルバッグ オルトリーブ Lサイズ
      • 輪行セット オーストリッチのド定番のやつ
      • エコバッグ1枚 小さく畳めるやつ
      • クリートカバー 帰路輪行時用
      • ミニようかん 2本
      • メガネの替え 日没後用にスモークが入ってないやつ
      • ウインドブレーカー カペルミュールの小さく畳めるやつ
  • 自分で持つもの
    • 心拍計 (手首に巻くやつ)
    • スマホ2台 汗対策でジッパー付きビニール袋に入れて背中のポケットに
    • 財布 現金と小銭(自販機用)、保険証、クレジットカード、Suica
    • ワイヤーロック
    • 鍵束
    • ミニようかん 4本
    • ミニタオルとミニティッシュ
    • マスク (コロナ明けなので多分いらんが念のため)

ライド当日

午前4:45:いざ出陣

本当はもっと暗い。サドルバックはオルトリーブのL

朝4時に起床。わたくしは朝が弱いので非常にキツい。ウェアに着替えてアンパンとクリームパンを豆乳で流し込んで4:45に出発。事前の予報のとおり、気温15℃でほぼ無風と良コンディション。日の出を迎えて徐々に明るくなっていく新青梅街道を西に向かう。早朝なので交通量が少なく、路肩に自転車レーンが設けられたエリアも多くまずまず走りやすい。淡々と進んでいく

午前6:00:三鷹あたり (15km地点)

武蔵野中央公園で南に折れて、武蔵境通り(都道12号線)を下って深大寺調布駅の横を抜けていく。この通りは信号が多く、さらに赤信号連発で全く速度が上がらない。しかし先は長いので無理に加速せず抑えて走る。並足ライダーのロングライドの鉄則はゼロスターダッシュをしないこと。6時を過ぎて、路上は早くも通勤&業務用の自動車で混雑し始めている。

黙々と走り多摩川原橋で多摩川を越える。早朝練習と思しき本気度の高いロードバイクの集団と何度かすれ違いつつ、南多摩尾根幹線道路に入っていく。初体験の尾根幹にテンションが軽く上がりつつ、細かいアップダウンをこなして西に進んでいく。ちょうど30km地点にあったローソンでトイレ休憩してオレンジジュースと羊羹を補給。ここまでの平均時速は16km/h。うーむ、全然進まないな(笑)

午前7:30:橋本近辺 (40kmあたり)

尾根幹を抜けて橋本エリアに入る。通勤時間帯を迎えた歩道のバス停にはバスを待つ学生と会社員の長蛇の列ができている。信号が多くて狭い片側一車線道路ではすでに渋滞が始まっていて全然進まないが、安全第一なのですり抜けは控えて大人しく車列に従って緩いストップ&ゴーを繰り返す。平均時速は15km台に低下。

なんとか橋本を抜けて津久井街道(国道413号線)に入り、津久井湖を通過していく。これで市街地は抜けたからここからは快適なライドになるでしょう、などということは全然なく、相模湖に近くなるまで車列が途切れず続きバスやトラックも結構多い状況が続く。端っことはいえさすが神奈川県である

午前9:00:相模湖通過 (65km地点)

相模湖畔。まだまだ序盤である

 

ようやく相模湖に到達。スタートから4時間経過して平均時速は依然16km/h。当然ながら、荒川や利根川中心に走るのと比べてペースがかなり落ちる。ここからは信号が減って走りやすくなるけど、代わりに登りが始まっていくので、おそらくこれ以上ペースは上がらないだろうなと考えて若干気が重くなる。しかしここまで来てしまったからにはもはや征くのみなので、気を取り直して再スタート。路肩が狭くダンプトラックが多めな国道20号を30分ほど気をつけて走り、藤野駅あたりで南に折れて山梨県道35号線を目指す

午前10:00:饅頭屋さんで補給

県道35号線は交通量が大変少なく景色ものどか。ようやくリラックスして、サイクリングを楽しみつつ快調に進んでいく。とはいえ雛鶴峠に向かって長い登りが続き、油断すると踏みすぎになるので、心拍数がZ4中盤を超えないように自制していく。

山間の饅頭屋

事前にチェックしていた「王の入まんじゅう」屋さんが開いていたのでアンマンを購入。味は特別どうこうというほどではないが普通にうまく、ボリュームがあっていい補給食になった

午前10:30:雛鶴峠クリア (90km地点)

新雛鶴隧道。トンネル内はまあまあ明るい

最初のピーク、雛鶴峠に登頂。頂上に向かって徐々に傾斜がきつくはなるけど、とはいえ激坂ではないので、心拍数にだけ気をつけつつ淡々と走ってクリア。特に眺望がいいわけでもなく、走るだけである。トンネルを抜けると長いダウンヒルのスタート。逆側から登ってくるサイクリスト集団に手を振りつつ、リニア実験線の横を通過して大月方面を目指して下っていく。国道139号線を横切って、富士急禾生(かせい)駅で踏切を渡ってリニア見学センターそばの裏道を経由して20号線に出て笹子峠を目指し西に曲がる

午前11:00:大月通過 (105km地点)

楽しいダウンヒルのあとは、再び国道20号線に合流して笹子峠を目指して緩い登坂が始まる。やはり大型車が多く、狭い路肩には砂利が溜まりがちなので注意を払って走る。右手の高台を特急あずさ(もしくはかいじ)の長い編成が軽やかに駆け抜けていくのを横目に見つつ、上り基調を黙々と漕ぐ。左手には笹子川が流れているが、取り立てていい景色というわけでもないので、ここでも修行のようにただ黙々と漕ぐ。

笹子峠旧道の分岐から先は車が全く通らなくなり、誰もいないつづら折りをこれまた黙々と登っていく。なんで有休を取ってわざわざこんなことをやっているんだろうという自問自答が始まるが、こうなってからがロングライドの本番である(笑)

午後12:45:笹子峠クリア (123km地点)

笹子峠は雛鶴峠よりは距離が長く斜度も若干上がるけれど、とはいえ10%超の傾斜はほとんどないし、勾配の変化も小さい。サイクリストはおろか車もバイクも通らない静かな坂を、ペースを守って軽いギアで淡々と走って登頂。大月から1時間半以上登りっぱなしで来たのでそれなりの疲労感がある。記念撮影して羊羹を補給し、隧道を抜けて再び長いダウンヒルを開始する。最大の御坂峠がまだ控えているので、握力を消耗しないようブラケットポジションを避けて下ハンブレーキングで下っていく。インドアのZwiftではブレーキングを全くしないので、いざ実走に行くとすぐに手が握りづらくなったりする。特にダウンヒルは要注意なのだ。

レトロな佇まいが美しい笹子隧道

旧道のつづら折りを抜けると再び20号線に合流。線形が良くなり交通量も若干減るので、少々スピードアップしてダウンヒルを飛ばしながら、いよいよ甲府盆地に突入する。ここでの問題は20号線の勝沼バイパス区間。一応ルール的には自転車走行が許可されているようなのだけど、Webで調べても今一つクリアな情報が得られない。さらにストリートビューで見る限りでは左側に高速への分岐や合流があり、モロに自動車専用道で横を大型車がスッ飛んでいく雰囲気満々だったので、安全を取って迂回することにした。

ここでバイパスを左に外れて、狭くうねった歩行者専用道を抜け、バイパスの先に出る。犬を散歩させてる人などがいるので走行には注意。

自転車で勝沼バイパス横の側道を抜けるルーティング


ちょうど良くトイレがあるので3分休憩を取り、すぐ左に曲がって20号を外れ、フルーツ狩りの観光農園の看板が立ち並ぶ中を抜けていく。山梨の地元ナンバー車は自転車を大きくよけてくれるので安心して走れる。ありがたいことです

午後1:30:御坂峠へのヒルクライム開始 (140km地点)

果樹園の間を山を回り込むように走って進路が南向きに変わり、正面に山が見えてくると、いよいよ最後のヒルクライムのスタートである。登り口の自販機でしっかり給水してボトルを満タンにし、羊羹を補給する。

Gamin Edgeさんがここぞとばかりに「ここから17km登りですよ!」という激萎えのヒルクライムプロファイルを表示してくるが、目的地を前にしてテンションが疲労を上回っているので半笑いで登っていく。

甲府方面から御坂峠へのアプローチは「御坂みち」と呼ばれる国道137号線を通るのが分かりやすいが、比較的新しい道路であんまり面白みはない。なのでまずは並走する狭い旧道に入り、古い家並みの集落を抜けつつ走る。

旧道の終わりで国道137号線に合流してさらに登っていく。国道137号は甲府と河口湖を結ぶメインルートになっているせいか大型車を含めて交通量は多い。幸い歩行者は誰一人いないので、ありがたく歩道を存分に使わせてもらう。勾配は多少の増減はありつつも大体6%くらいで、一部8%の区間がある。長い登りで腰と背中に疲労が溜まってくるので、ダンシングを入れてごまかしながら黙々と走る。4月とはいえ陽射しのもとでのヒルクライムは暑く、あっというまにボトルのドリンクがなくなっていく。途中の自販機で再び水を補給。今回のルートでは道沿いに終始自販機があるので飲み物が尽きる心配がなくてかなり気が楽。自販機王国日本バンザイ。

山梨ではよくお世話になるハッピードリンクショップ(という名の自販機コーナー)

午後2:20 御坂みち旧道入り口 (150km地点)

「本日天下茶屋商い中です」の看板を確認して、ついにラスボスとの最終決戦。御坂峠への旧道に突入する。車は全く通らなくなり、コース独り占め状態。野鳥の鳴き声だけが響くなかをまたもや黙々と進む。ラストクライムなので気持ち的にはもうちょっとスパートをかけたいのだが、さすがに疲労しているのか大したスピードも出ていないのに心拍数が上がってしまう。インナーローに1枚残しくらいでペダルを回し、30分ほどかけて登頂成功

北向きで見事に苔むした甲府側のトンネル入り口

午後2:50 御坂峠登頂 (156km地点)

黄砂で霞み気味な富士山

思ったより明るい山頂の隧道を抜けて、ようやく河口湖側の御坂峠に到着。道の左側に天下茶屋があり、右手には雪をかぶった富士山が白く霞んで見える。うむ、これじゃ。これこそが御坂峠よ。黄砂が飛んでいて視界が良くないのがちょっと残念だが、これもまたよし。記念写真を何枚か取って、他に誰も客がいない天下茶屋に入り、いも団子、ほうとう、ホットコーヒーを注文した。のだが、注文したところで店員さんから「ちょっと店を閉める準備をするんでうるさくなりますけど、気にしないで食べてくださいね」とのコメントがあり、なんと15時ラストオーダーであることが判明。あぶない、超あぶない。本当にギリギリやんけ。完全に調査漏れで危ないところだったが、何はともあれ滑り込めて良かった。皆さん目的地が施設である場合はちゃんと営業時間を調べておきましょう。

アツアツのいも団子バター乗せ

滋味極まるほうとう。涼しいロングライドとの相性は最高としかいいようがない

そしてロングライドの果てにたどり着いたほうとうは当然ながら最高に美味い。バターがたっぷり乗ったいも団子も次々と腹に吸い込まれていく。ホットコーヒーが沁みる沁みる。本日唯一の腰を下ろして食べるまともな食事を堪能して、この店は本当に昔から全く変わりませんね的な話をご店主と交わして出発。さてここからは大月駅を目指して下り基調の40kmの道のり。予定より時間が押しているけど、多分5時頃には着くだろう。落車は絶対に避けねばならないので、安全運転を今一度肝に銘じてダウンヒルを開始する

午後4:00:河口湖大橋通過 (170km地点)

長い御坂峠のダウンヒルを下ハンブレーキで慎重に下っていく。マジで長い。こんなに登ったっけ?腰がピキピキしはじめるが、ブレーキングが優先なので耐える。たまに左手に視界が開けて見事な富士山が見えるが、ダウンヒル中なので路面に集中する。つづら折りをようやく抜けて国道137号線に再合流するが、まだまだ下りが続く。線形が良くなるので油断するとスピードが出すぎて危ない。路肩を安全にキープできる速度を守って下っていき、山宮トンネル手間で右に折れて河口湖大橋を目指してさらに坂を下りていく。河口湖近くの集落まで降りてきたところで後ろから追い越していくプリウスにクラクションを鳴らされ、見ると閉店作業を終えて帰宅する天下茶屋のおっちゃんが手を振ってくれていた。こちらも大きく手を振り返す。心が温まる良い話である。河口湖大橋を超えて湖沿いの観光地エリアに入ると外国人観光客で大混雑。バスはどれも満員だし、コロナ明けおそるべし。河口湖畔からしばらくは片側一車線の街中で普通に車も信号も多く、都内ほどとは言わないがストップ&ゴーが連発する。ここで急いでも仕方ないので安全運転で。

さて河口湖から大月に向かうには富士みち(国道139号線)が定番ルートなのだが、ここもやっぱり路肩が狭く交通量が多そうなので回避。高速に沿って走る県道718号線に入り、そこからずっと高速脇の道を降りていく。

このルートは信号も交通量も少なく、ほとんど下りなので走りやすい。視界良好な下りが続き、安心してヒャッハー感を満喫できる。ただし路面が悪いところがありバイクが跳ねるので、あんまり油断はできない。こういうときはワイドリムに28Cタイヤで乗り心地のいい今時のバイクが欲しくなる。都留グリーンゴルフ(打ちっ放し)横に一か所だけまずまずの登り坂があるが、ダウンヒルで脚が復活しているので全部ダンシングで今日イチの出力で突破。

午後5:00:大月駅にゴール (200km)

ゴール。観光客と地元の人で普通にごった返す大月駅

本日二度目の富士急の禾生(かせい)駅を過ぎると大月駅はもう目の前。何時間か前に通ったルートで20号線に出て、10分もかからず大月駅に到着。ご苦労様でした。コーラのボトルを一気飲みしてから輪行の準備を始める。しかし、ただでさえ実走を全然していない上に、輪行ともなると数年ぶりで、いざやってみると手際がものすごく悪くなっていることに愕然とする。30分以上かかってバイクをパックして、切符を買おうとしたら目の前であずさが発車していきしょんぼりするが、まあ仕方ない。次の特急は45分後。人気路線なので特急の本数も多い。外国人観光客で賑わう駅のホームで大人しく次のあずさを待つ。

到着したあずさは満席。自転車を置く場所がないだろうから新宿までデッキで立ったまんまだな、と思って乗り込んだが、幸いにも車両最後部の座席後ろのスペースが空いているのを発見した。座っている人に一言断りを入れてバイクをそこに置き、自分の指定席に座って窓の外を眺める。すでに日が暮れていたので景色が見えないのがちょっと残念。あずさはたったの1時間で新宿駅に到着。速い(笑)。

新宿駅でホームに降りたら一番前(代々木寄り)の階段まで進み、新南改札から出て目の前の広場のエスカレーター裏あたりでバイクを組み立てる。

新宿駅はどこも混雑していて輪行には向かないけど、この広場はスペースが広く、落ち着いてバイクパッキングができる。駅前の甲州街道からのアクセスも良い。新宿からは山梨長野方面にも房総方面にも特急が出ているので、ここを起点にした輪行はかなり活用の幅が広いのではなかろうか。などと考えつつ新宿駅から夜の明治通りを北上して帰宅。当然ながら人多い、道路混んでる、ママチャリが逆走&信号無視しまくりで、山梨とのギャップがすごい。夜の都内こわい。さあZwiftに帰ろう。次回の実走はまた秋かな。。

振り返りとまとめ

数字はこんな感じ。自宅に帰り着くまで全部含めると15時間半の大冒険。はっきり言ってすごく楽しかったし達成感が半端ないが、完全にロングライド欲求が満たされて溜飲が下がってしまったので、次回の実走はまた随分と先のことになりそう。

ライド総括

ペース配分と体力はどうだった?

未体験の獲得標高3000mということで、終盤にダメージが来ないようかなり慎重にペースをセーブして走り、結果として無事完走できた。というか結構元気でまだ踏める状態でゴールしたので、後から考えるともうちょっとペースアップしても良かったかなと思う。とはいっても前半の都内は頑張っても大して速度は上がらないし、後半はアップダウンばかりなので、今回はまあこんなもんだろう。初めて挑む距離と標高だったし、これでOKとする

道中の補給を振り返る

  • 道中で補給したもの一覧。合計2600kcal
    • オレンジジュース200mlパック×2本 (184kcal)
    • ワッフルいちごクリーム4個入 (451kcal)
    • 山崎製パン ミニようかん 小倉×2、塩×2 (700kcal)
    • 王の入まんじゅうのアンマン (推定300kcal)
    • 天下茶屋ほうとう&いも団子 (推定1000kcal)
  • 俗にロングライドでは「1時間に250kcal程度の割合で補給せよ」と言われている。今回は移動時間が10時間、休憩込みで12時間なので、まあこんなもんだろう
  • 毎度のことだがミニようかんが有能。コンパクト高カロリーで、背中のポケットに入れておいてサッと食べられて本当に便利。山崎製パンさんいつもありがとう
  • ドリンクは大量に補給していたのでよく覚えていないが、スポーツドリンクは500mlを2回摂取した。あとは全部水。ボトルは750ml一本で。

このルートの感想とか学びとか

  • とても楽しかった。が、もう一回走りたいとは思わない(笑)。都内は当然ながら交通量が多く信号だらけで進まないし、そこを抜けても大型車が多く路肩が狭い国道を走らざるをえない区間が長い。甲州街道は自分には合わない。次に山梨に行くなら最初から輪行甲府近辺までショートカットするだろう
  • 交通量が多い裏返しで、トイレ休憩や補給をいつでも取れるのはいいところ。ルートの大半で沿道にはコンビニが次々に現れる。後半にコンビニがないエリアに入っても、自販機がどこにでもある。峠道でのドリンク切れにだけ気を付ければOK
  • 河口湖近辺は古い市街地なので車と信号が多く路肩は狭い。湖の周りを走る分には優雅だけども。観光客がとても多いので周囲には常に注意する
  • 三つの峠はどこも特に眺めが良いわけでもなく派手な見どころはないけど、静かで黙々と登れて良かった。御坂峠の登坂はさすがに長く、特に前半は真っ直ぐ歩道を登っていくだけでステキな要素が全然ないが、頂上の富士山は(晴れていれば)素晴らしいし、天下茶屋ほうとうとホットコーヒーを目指して登るのもアリだと思う
  • たくさん登るのでダウンヒルも長い。出発前のブレーキの整備は大事。あと下ハンでブレーキングできる姿勢を維持するための腰と背中の筋肉も。ディスクブレーキならもっと楽なのかもしれない

実証実験結果

Zwiftしかやってなくても、距離200km獲得標高3000mは元気に完走できることが確認できた。とはいえ、バイクコントロールや自動車との連携といった、いわゆる「実走のカン」みたいなものは確実に低下していて、例えば後方確認で思ったよりフラつくとか、自分の脳内イメージと実際の挙動に若干のズレ感があるのは否めない。なので無理無茶をせず余裕のある走行をすることが大事だなと再認識。あと私の実走用バイクは比較的ハンドル高めのリラックス仕様だけど、Zwift用バイクはハンドル低め遠目でパワーが出しやすいセッティングにしていて、なおかつモニターを目線の高さにセットして常に顔を上げてZwiftしている。今回のようないきなりロングライドで首と腰と背中の筋肉を最後までキープできたのは、このセッティングによるところが大きいんだろうなあと思う。

さて、次回の実走はまた半年後の秋に。夏場はエアコンをかけてZwiftを楽しもう。