室内自転車乗りのライドログ

室内でZwiftばかりしているインドアライダーのメモ。実走は春と秋だけ、年に数回。

Zwift専用室内ロードバイクの最小要件を考えるメモ

我が家のZwift用バイクはローラーにセットしっぱなしの完全室内オンリーで、実走用と比べると色々と削れる要素が多い。ということで買い替えるときのことを考えて、シンプルで低コストな専用機のセットアップを考えてみたメモ。現行機が壊れそうにないので、実際には当分買い替えないんだろうけど...

ということでまずは要件から。

室内専用機のポイント

  • 動かないので、重くていい。車重を気にする必要はない

  • 動かないので、空力とかエアロはどうでもいい

  • 動かないので、ブレーキもいらない

  • 曲がらないので、ハンドリングのフィールとかバランスは考えなくていい

  • 汗を浴びるので、フレームが錆びにくくパーツの清掃や交換がしやすい作りが望ましい

  • 憂いなくスプリントをカマすために、安くて丈夫なフレームだと安心

と考えていくと、各パーツの選定基準はこうなる

フレーム

  • 素材は、汗の影響を考えるとアルミ一択。スチールでも良いが汗対策のメンテナンスはすること。中古の古いアルミフレームで十分。もちろんカーボンでも構わないのだが、比較的高価なカーボンを敢えて選んでトレーナーに固定してスプリントで捻りを加えて痛めつける理由はないだろう

  • サイズが「概ね」合っているもの。実走用よりもザックリでいい。走らないしハンドルも切らないので(切るためのデバイスも一応存在するが)、ハンドリングのフィールを気にする必要がない。なので、実走では選ばないような極端な角度や長さのステム、あるいはシートポストでポジションを調整しても構わない。BBとサドルとブラケットの3点のポジションさえ出れば何でもよい。見た目の問題はあるが...

  • 重量やエアロ性能は検討しなくてよい。軽くてエアロなフレームに投資する意味はない

  • シフトワイヤーはフル外装推奨。アクセスしやすくメンテナンス性が高いことが大事である。ブレーキはそもそも不要なのでワイヤーもいらない。予算があるならばDi2でどうぞ

  • 汗でBBが錆びる可能性もあるので、自力での交換が容易なネジ込み式のBB86規格あたりだとベター

コンポーネントとパーツ

  • 変速段数は多いに越したことはないが、少なくても戦える。Zwift側の設定(トレーナー難易度)でかなり調整出来てしまうので。無理して12速コンポを検討しなくてもいい。コスト優先ならSoraあたりも選択肢に入る

  • リアスプロケはクロスレシオ推奨。ロー23Tまたは25Tくらいで十分。Zwiftはトレーナー難易度で急勾配での最大負荷を調節できるので、実走のように激坂を想定して30Tとか34Tといった大きいローを用意しなくてもいい。Watopiaの電波塔に行って、インナーローで負荷がちょうどよくなる程度にトレーナー難易度を調整しよう。ワイドレシオにすると変速時のギヤ比の飛びが大きくなって走りづらくなるだけで、メリットはない

  • フレームと同じく、重量を気にする必要はない。カーボンパーツを敢えて選ぶ必要性はないだろう。例えばハンドルとかクランクアームとか。

  • ブレーキは不要。掃除の手間を考えると、キャリパー自体を外してしまうのがオススメ。レバーの握りの抵抗がなくなってスカスカになるが、すぐに慣れる

  • バーテープも不要、というかむしろ取り外しを推奨。バーテープは汗を吸い、乾くまでに時間がかかり、さらに乾いても内側に塩分が残るので、ハンドル腐食の原因になり、最終的にはハンドルが折れる。なので、バーテープは外し、代わりにタオルをハンドルにかけて、タオル越しにハンドルを握るようにする。タオルは業務用の10枚いくらみたいに売ってるやつがオススメ。ライド後に毎回ハンドルを軽く拭けばメンテも済む

  • サドルは実走と同様に重要。自分に合うものをしっかり選ぶ。信号待ちがなく走りっぱなしになるので、実走よりも重要かもしれない。合わないサドルでUber Pretzelに挑むのはとてもつらい。逆に言うとZwiftでバッチリ合うサドルは実走ロングライドにも好適(経験談)なので、Zwiftでサドルを探す旅に出るのも良いかもしれない

結論としては

10年落ちくらいのアルミのエントリーバイクを中古で安く買うか、安いフレームを単体で買って安価なコンポで組むか、あたりが妥当かと思われる。予算がある人はもちろん好きなバイクを突っ込むべし。室内専用とは言っても、あまりにも格好悪いバイクではモチベーションをが下がるし、コンポ周りのフィールが悪いとライドに没入しづらくなるし。実際には、実走用にバイクを新調して、今のバイクを室内用に配置転換するパターンが一番ありそうなシナリオかなと思うが。

補足:バーチャルシフト機能

Zwift HubやKickrの最新式などのスマートトレーナーでは、Zwift謹製の専用コントローラーと組み合わせることで「バーチャルシフト機能」を利用できる。コントローラーのボタンでシフトチェンジをすると、スマトレ側で負荷を変更して、疑似的に変速したものと同じ効果を発揮するというやつ。

support.zwift.com

これを使うとバイク側では一切変速を行う必要がなくなるので、Zwift用バイクではコンポのことを考える必要がなくなる。何ならシングルギアのバイクでZwiftが楽しめますよ。という画期的な機能なのだけど、残念ながら今のところはコントローラーもZwift Hubも日本には発送してもらえない。オフィシャルに日本での取り扱いが早く始まることを願うばかりである